職人タイプの経営者の陥りがちな罠

職人タイプの経営者は、真面目でこだわりがあって、技術本位。
自身がこだわり抜いたより良い商品やサービスを顧客に提供することが信条。

日本人に多いこのタイプですが、ありがちな罠があります。
それは、「従業員に任せるのが下手くそ」だということ。

自分のこだわりと同じレベルのこだわりを従業員に持ってほしいのだけど、
従業員はそのレベルにまで達することができない。

そこにストレスがあって、(それなら任せずに自分でやる!)となる。
結果、従業員が育たない。

歯科医院の院長先生は、実はこの職人タイプの先生方がとても多いです。
スタッフに対して、勤務医に対して、
(なんでこんなことが出来ないんだろう…)と思っておられる場面をよく見かけます。

そして、そうなるとスタッフを誉めることはめったにありませんから、
スタッフとの人間関係もあまり良好ではなくなってしまいます。

かく言う私自身もそのタイプだったと自覚し反省しています。
『自分が出来たんだから君も出来る!』
『出来ないのは、努力が足りないからかサボっているから』
『もういい。やらんでいい。自分でやる』

これだと言葉に出さなくても態度に出るわけですから、従業員は離れていきますね。
従業員のがんばりに対しても自分と比較して素直に認められない訳ですから。

解決法は2つ

1つは、経営者である自分と同等の働きをする従業員は存在しないと自覚することです。
そんな従業員は、自分と同じように独立します。
目安として、自分の60%の出来が100点という基準で見ること。
評価項目も、数値計画でもそのレベルで組んだほうがよいでしょう。

もう1つは、自分とは違う仕事の人を中心に雇うことです。
自分が歯科医師なら、歯科医師を雇わずに歯科衛生士を中心とした経営スタイルを指向する。
自分が営業中心のタイプなら、事務スタッフやIT部門スタッフなどを雇います。
ただし、これだとより大きな規模に事業展開できないため、前者がどうしても出来ない場合に取る次善策だと思います。

1人だけで完結できる仕事ならそれで構いませんが、
組織として仕事を進めていくのであれば、職人タイプの経営者はこの罠に気をつけるべきだと自戒も込めて発信しました。

ご参考いただければと幸いです。

関連記事

  1. 当事者意識

    この人についていきたいと思わせる院長先生の条件

  2. アフターコロナの対策

  3. 率先垂範はリーダーの鏡

  4. ピンチに陥った時に心がけること

  5. 自費の押し売りにならないテクニック

  6. ミーティングレベルを上げる

コメント

  • コメント (0)

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。