ミーティングにはレベルがある
ミーティングはともすればマンネリ化してしまい、
「何のためにミーティングをしているのか?」が分からなくなってしまう、
扱いが難しい取り組みである一方で、
スタッフからの貴重な意見(時には苦情)を吸い上げることで
組織一体化を進めていくうえでは欠かせない取り組みでもある。
色々なクリニックのミーティングに参加するなかで、
ミーティングのレベルに違いがあるのもまた興味深い。
最も初期レベル(Lv1)のミーティングスタイルは、
「一方的な講演会風」。
院長がスタッフに一方的に伝える、上から下への通達や業務連絡で、
スタッフからの意見はなく、メモをひたすら取っていたり、下を向いていたり。
聞こえてくる心の声は(早く終わらないかな…)。
ただ、話し好きの院長の場合は、その重苦しい空気に気づかない…
発信する=その人の成長を促す
ことを考えると、院長だけが発信者であることは組織全体として成長機会のロスに繋がる。
活発で有意義な議論が飛び交うミーティングが理想のレベル(Lv3)だとすると、
間にあるレベルは、スタッフが発言したり当事者意識を持ったりするレベル(Lv2)だろう。
そこに行くのはどうすればいいか?
私が色々試してみた結果、2つ有効なポイントがあった。
ミーティングで役割を与えることが1つ目のポイント
1つ目のポイント。
それは、スタッフに、ミーティングの中での役割を与えること。
役割とは、必須なのは「司会進行係」と「議事録係」。
ただ、いきなりスタッフに「司会お願いね」と伝えてもたぶん出来ないので、
ミーティングの台本を作ってあげる。
司会進行役としては、それを読み進めていけば
ミーティングの枠組みは成立する。
はじめの挨拶→院長からひと言→本日の議題→ヒヤリハット
などの流れを記載して、その時の司会のセリフを書いておいてあげる。
話が止まった時には、すぐに院長にではなく、みんなに意見を求めるようにする。
最後に、議事録係に話を振って、本日の決定事項を読み上げてもらい、ミーティングを終了する。
これだけで、院長ワンマンのミーティングが一変して、
みんなも多少の緊張感を持って参加するミーティングレベルとなるのである。
他の役割としては、例えば「衛生士部門」や「ドクター部門」など、
「職種ごとの括りでの報告係」があってもいい。
ミーティングで全員に発表する機会をつくるのが2つ目のポイント
2つ目のポイント。
どうしてもスタッフの中でも声の大きな人と小さな人に分かれてしまう。
そして、声の小さな人は、大きな人の意見に同調する傾向が強いため、
一人の意見がさも全員からの意見のようになってしまい、
問題の大きさを見誤ってしまうことがある。
そこで、声の小さな人からも意見を出してもらうようにする工夫が2つ目のポイントとなる。
それは、自由に発言させるのではなく、意見を書いてもらう時間を設けて、その後発表していく
というスタイルを取ればよい。
そうすると、声の大小に関係なく、全員が平等に意見を言うことができるのだ。
そうやって、発言する機会を意図的に作ってあげて、
『発信させる=その人の成長を促す』ことで、
次第にミーティングのレベルを上げていく。
Lv3の「活発で有意義な議論が飛び交うミーティング」まで到達できれば、
新たな取り組みも院長発ではなくスタッフ発となるし、
問題が起こった時にでもスタッフと協力して進めることができるようになる。
そんな組織は理想的だなと、多くの院長が思うことだろう。
組織レベルを上げるために、まずはミーティングレベルを上げよう。
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