スタッフが動いてくれない。これは誰のせい?

歯科医院でもどこの会社組織でもよく聞くセリフ。

「部下(スタッフ)が動いてくれない」

ほんとーによく聞く話。皆さんも心当たりはありませんか?

言ってもやらない。言わないとやらない。もっと自分から動かないと。

おそらく全国津々浦々の組織でそんな愚痴が飛び交っているのを想像します。。。

 

「以前いたスタッフは自分から気づいてやってくれたのに」

と、デキるスタッフとの比較対象がある場合は、尚更デキないスタッフへのぼやきと言いますか、不満が募ってきます。

しかし、、、いくつかの視点で考えてみれば、

すべてをデキないスタッフの責任に押し付けているマネジメント側の問題もあるように思います。

ここでは、そのいくつかの視点について整理してみたいと思います。

スタッフが動かない理由① 信頼関係が破綻している場合

 

そもそもの話、院長とスタッフの信頼関係が破綻している場合、「指示しても(最低限しか)動いてくれない」という事態になります。

もうスタッフの心の中では、(おまえがやれよ!)と思っていますので、指示の仕方とかよりもまずは信頼関係の回復を最優先にしていくことが求められます。

その対処法はまた別の機会にお伝えします。

 

スタッフが動かない理由② 自分の仕事領域と認識していない場合

 

これは、スタッフが考える自身の仕事領域だと認識していないために、

「それは私がすることではないでしょう」と思って、実行しないケースです。

例えば、在庫が足りなくなっているのに誰も注文しておらず、
いざ必要になった時に「あらへんやないか!(怒)」となるケース。

例えば、フロアにゴミが落ちているのに拾わないで
何日もそのゴミがそこにあるのに気づいて「なんで誰も拾わんねん!(怒)」となるケース。

 

いずれのケースでも共通するのは、
「気づいた人がやる」といった、責任者が不在の業務であること。

そのような場合には、やはり責任者を決めてしまうのが一番分かりやすく改善できます。

在庫係であるとか、そのエリアの清掃係であるとか、
気づかないのであれば、日常的なルーティン業務に組み込むこと。

(本当はこんなこと、役割決めなくても気づいた人がやれたらいいのに…)
と思う気持ちも分かりますが、

怒りの感情を乗せて指示するくらいなら責任者を決めたほうが
お互いにとってよろしいかと思います。

 

スタッフが動かない理由③ 依頼された内容が漠然としすぎていてどうすればいいのか分からない場合

 

これは、仕事の振り方が雑な院長のもとでよくある話です。

例えば、「リコールが少ないから増やすように考えて」と衛生士に伝えて、
しばらく待っていても何も動いていないケース…。

例えば、「来月から訪問歯科をしていこうと思うんだけど勉強しといてね」とスタッフに伝えて
何も動いていないケース…。

これはなかなか極端だとしても、スタッフが行動できないレベルの要求をしているケースはよく見かけます。

この場合は、チャンクダウンといって、スタッフが行動できるレベルまでハードルを下げてあげて、具体的に何をしたらいいのかまで落とし込んであげる必要があります。

リコールが少ないなら、
「患者さんへの説明の仕方は、このツールを使って、こんな感じで話をしよう」
「ハガキは手書きの挨拶を、季節の挨拶+その方のお口の状態を気遣う言葉を入れて3行は書こう」
など、より具体的で詳細な行動へと落とし込んで指示します。

訪問歯科を開始するなら、
「この本を読みあって、〇日のミーティングで話し合いを持とう」
「挨拶に回る居宅介護支援事業所のリストは、ここのサイトからコピーしてエクセルで作成しよう」
など、指示する側が一緒に伴走してあげる心配りが必要です。

さらに、スタッフの成長を促すのであれば、具体的な指示のもと動いてもらった後に、
今度は「なんでこういう行動をしたのか?」といったその行動の意義を解説してあげると、なお良いと思います。

「なんでリコールの説明でこのツールを使ったか分かる?」
「患者さんがメンテの大切さを心から理解してくれたら、リコールは定着するよね」

「なんで同じ本の読み合いをしたか分かる?」
「みんなに訪問歯科の大切さを理解してもらいたかったし、みんなで同じ本を読んだら、(そんな見方があるのか~)って視点の違いが分かって勉強になるでしょ!?(別の目的として、適当な読み方をして適当な感想を述べたらすぐにバレる(^^;))」

など、『具体的な指示の後に→その指示の意味を伝える』ことを繰り返していけば、スタッフは成長をしていくことができるのです。

以上、①~③までお伝えしましたが、いかがでしょうか?

「言っても動かないスタッフ」は、本当にそのスタッフだけの問題でしょうか?
経営者レベルを上げるという自分事に捉えて改善に取り組まれると、また組織は大いなる成長を見せるものだと理解しています。

ご参考になれば幸いです。

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